人生100年時代を考えてみた。

昨今、目にしたり、耳にしたりすることが多くなった言葉について、自分なりにいろいろと考えてみました。100年となると、現時点が折り返し地点を少し過ぎたところ、となります。21年8月に厚労省が発表した「令和2年簡易生命表」によると、男性:81.64歳、女性:87.74歳、となっています。また、日常生活に制限のない「健康寿命」は、男性:72.14歳、女性:74.79歳、と発表されています。100年とはだいぶ離れてますね。
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/backdata/01-01-02-06.html
個人差はあるでしょうが、75歳前後が一つの目安、ではないかと思います。ご自身で会社を経営されていらっしゃる方、自営の方はともかく、サラリーマンは雇用延長を含めると65歳まで働く機会が確保されることになります(勤務先や、個人の考え方の違いはあると思います)。昨今は、70歳定年、とも言われていますよね。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page09_00001.html
今後、医療や介護が良くなることによって、「平均寿命」や「健康寿命」が延びていくでしょうから、100年はともかく、先々のことをイメージしておいて損はない、と思います。お金に関することは、いろいろなご意見や資産運用について、専門家を含め様々な方が発信されていますので、お金以外で私自身の肌感で感じたことを書きたいと思います。

「サードコミュニティ」を見つける

米国の社会学者が提唱した「サードプレイス」という概念があります。「自宅(家族や家庭)」「学校や職場」とは異なり、「一個人として居心地の良い、くつろげる場所」を意味しています。このプレイスの「コミュニティ」版が「サードコミュニティ」と言われるものです(ネット検索すると、幾つも出てきます)。家族や家庭をファースト、学校や職場をセカンド、となるわけですが、人生100年となると、この2つに依存してしまうのは厳しいのではないか、と感じています。

ファーストコミュニティは、家族や家庭。

家族や家庭には様々なカタチがあり、正解は一つではありません。また、ここで何が正しいのかを論じるつもりもありません。ただ、親と子、兄弟姉妹、夫と妻、お互いの相性や関係の良し悪しはもちろん、年月を重ねると、家族関係や家庭環境は変わっていくことが一般的ではないでしょうか。親離れや子離れ、出会いや別れといったライフステージの変化は、誰しもが経験することだと思います。いつかは次の世代に何らかのカタチで、バトンを渡していくことなります。最近、ご年配の方々とお話しすると、変化を切実に感じることがあります。自身の源流とも言えるコミュニティであり、いつまでも続くと良いな、と感じますが、そうならないものだと考えています。

セカンドコミュニティは、学校や職場。

 学校には卒業という区切りがあります。また、一部の方を除けば、私のようなサラリーマンは、年齢はともかく定年退職することになります。もちろん、区切りの後も続く、同窓会や同期会といったコミュニティはあります。ただ、学校や職場といったセカンドコミュニティは、所属している時期ほどの濃密な関係性は容易ではないかな、と感じています。サラリーマンが職場への依存度が高くなると、定年後に家庭に居場所がない、とか、名刺がなくなると不安、となってしまうのではないでしょうか。SNSがなかった時代に比べると、関係性の維持という視点では良くなっていると思います。それでも、毎日顔を合わせていた時期とは、やはり関係性は変わってしまいますよね。逆に、本当に親しくなった相手とは、生涯お付き合いすることが多いような気がします。

サードコミュニティとは、どんなものか?

 コミュニティ構成員の大半がファーストやセカンドと重複しない、ことが前提ですが、知らない世界に入ることに躊躇してしまう場合は、家族、学校や職場の仲間と参加するところから始めても良いと思います。これこそ正解はありませんので、趣味や好きなスポーツであれば入りやすいのではないでしょうか。その際のポイントは「長くできること」です。人生100年時代を楽しく過ごすためですから、70歳以降もできることにしたいですね。さらに、リアルの接点がある、となお良いでしょう。ネット上でのコミュニティも良いとは思いますが、それは「個々人の健康年齢を超えてから」でも良いかと思います。いずれ、メタバースでのコミュニティも一般的になっていくと、年齢を超えた新たな関係づくりが今後は増えていくかもしれません。

ちなみに、私の場合。

 「ゴルフ」がサードコミュニティになりそうです。数年前から、全く知らない方とラウンドすることを始めたら、これが割と良くてハマりました、笑。ネットで「ひとりゴルフ」を検索すれば、たくさん出てきます。懐に余裕があれば、メンバーになってしまう手もあります。家族や友人、職場の仲間とのラウンドも楽しいですが、初対面の方とのラウンドも良いものです。セカンドコミュニティどっぷりのサラリーマンにとっては新たな出会いの場でもあります。「何を話せばいいのか」と不安になる方もいらっしゃるかと思いますが、ご安心ください。どこに良く行く、とか、プロの試合結果とか、ゴルフの話が中心です。パーソナルな話題は、住んでいる地域ぐらいですから。「健康年齢」をはるかに超えた大先輩とご一緒することもあり、定年退職後の目標にもなります。ご一緒する方々は、とにかくお元気なので、やっぱり健康が第一、と改めて感じます。これからも続けていけるよう、努力したいと思っています。まだの方は、始めてみてはいかがですか。